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一杯のつもりで過ぎる深酒の果て


今朝の読売の人生相談(2008.04.03)
深刻だ。60代の親戚の男が別の親戚の3歳の子に酒を
勧めて飲ませようとしたり、男の3か月の孫の唇に酒を
塗りそれを見たお嫁さんが泣きながら我が子の唇を拭う。
ことの重大さに気づかず、他人にとがめられれば、
カタブツだなと批判する。怖くて誰もこの男の所業を
止められない。

酒飲みは自らたしなむばかりでなく他人にも当然酒が
良いだろうと一方的に飲ませようとする。
相手の酒を受け入れない体質、アル中から立ち直った
等の相手の事情を慮るより酒席の付き合いを優先する。
一緒に楽しんでくれと言わんばかりに「飲め、飲め」と。
ほろ酔い時の開放感からか、類が友を呼びたいのか。

かつて、会社の会合で上司に勧められ、断ればオレの
酒が飲めないのかと、強要する輩と同類だ。
「酒が飲めないやつに心が開けるか!」と傲慢だ。
営業で仕事とる人は酒に強くなるのに必死だ。滑稽だ!
私なら、そこまでして心を開いてもらわなくとも結構だ
と言ってしまいそうだ。酒屋で生計を立てた父母に育て
られた息子であるにも関わらず・・・。

みんなで飲む酒を表立って断れば場はいわゆるKY
(空気読めない)とはじかれる。みんなの気持ちを
一緒になって楽しめないイヤなやつと見られる。
排他的同質性を求める「ムラ社会」ニッポン。

アルハラという、アルコールハラスメント。
みんなを立てて上手に断ると言うより避けるというか
楽しくよけ切るアイテム「アルハラ・ヤダピョン」が話題に。
まさにKYと言われるのが怖くて、仲間はずれが怖くて。
本当は無理強い酒・イッキのみ勧める方がバカ者なのに。
後で必ず言う、無理に勧めたわけじゃない、と。
つきあいの手前、断りにくい立場は配慮したと正当化。
良い酒飲みには悪い酒飲みとの連帯責任などない?はて?

酒飲みはほどほどがきかない。酩酊状態でも飲みたがる。
事後、ところ間に合わず生理に耐えかねて吐く。
吐しゃ物で電車の車内が臭くていたたまれない。
酒場の周囲の道端の吐しゃ物、自宅の近くの人は迷惑だ。

ストレス解消にいいんだ、私の唯一の楽しみを奪うのかと
酒飲みは言う。酒は百薬の長とすら言い切り、弊害は酒で
なく人だと言う。薬だって量を誤れば害がでる。
出産前の女性の深酒は生まれてくる子の脳に影響が出るの
ではないかと私は考える。また聞くところによると酒を飲
む女性は乳がんのリスクが最も高い生活習慣だと言われる。
(ご参考:酒は百薬の長の根拠が統計ミスと判明…2016年)
酒はタバコほど体に悪くないのか、当初はとがめられ
にくいが、長年の経過で肝臓がやられて止められる。
それでも酒飲みは言うことを聞かない。
家族に隠れてこっそり酒を飲む。

私には忘れられない記憶がある。
大酒飲みが県道の真ん中で兄と取っ組み合いになっている。
父にからんだ酒飲みをとりおさえているのだ。

夜、あばれる酒飲みの客。
酒を売れと酒屋である両親の店に夜中に戸をたたく。
店ばかりか店続きの生活の場まで押しかけて暴れる。
酔っ払いが家族や他人に向ける暴力は深刻だ。

朝っぱらから、1合酒をものすごく大事そうにかかえて
店先でしゃがんでたしなむ独居老人。酒が原因で妻も子
も去った家の男性の朝飯なのだ。見れば塩もなめている。

私が中学の頃、柔道の先生をやっていた方が自宅で酒に
おぼれているのを初めて目撃した。悪態酔っ払いではない。
おとなしく行儀が良いのだが中学の私でもわかるあたまの
状況の異常さ。
いつもと違って話している話の内容がまるでわからない。
ろれつが回らないばかりか、意味不明。
アルコールは脳の機能を麻痺させる。

会社員時代、朝出勤時から赤ら顔で前日の晩酌が度を過ぎ
たのだろうか?酒のにおいがする。
そういう社員がいた。
何かと大義名分をかつぎだして飲みたがる飲み仲間社員達。
忘年会、新年会、花見、送別会、歓迎会、打ち上げ・・・。
行事意義は認めるものの、表立って口には出せない社員達。

飲酒運転による交通事故の悲劇が後を絶たない。まさに惨劇
だ。認識ある過失結果殺人だ。
あなたの楽しみでどれだけ他の人が被害を受けているのか?
依然として、病と思っていないのか、病のせいにするのか?
大変なことをしでかした後でなければ、立ち直れないのか?

アルコール依存症の方は「精神科」を受診しよう!
節度のない酒のCMは自粛しよう!
飲め飲め社会に寛容で無責任な悪習は卒業しよう!

ご参考 → アルコール薬物問題全国市民協会
    → 社団法人アルコール健康医学協会

平成20年4月3日              中村三郎
平成28年7月9日改